現在、乳がんは日本人女性のがんで最も多く、9人に1人が罹患すると言われています
初めての抗がん剤治療をするための入院時に
遺伝子カウンセリングの説明を受けたんだけれど、それどころじゃなくて断ったんだった
かぁるはしていませんが、乳がんに罹りやすい遺伝子変異があるかを判定することができるBRCA遺伝子検査について解説していきますね
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HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)
HBOCとは、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome)のことで、乳がん・卵巣がん・膵臓がん・前立腺がんのリスクを高める遺伝性疾患です
HBOCは、BRCA1またはBRCA2遺伝子の変化または遺伝子変異によるものです
BRCAの遺伝子異常が関連している乳がんや卵巣がんのことを遺伝性乳がん卵巣がん症候群と言います
BRCA遺伝子とは
BRCAはヒトに基本的に備わっている遺伝子の1種で、傷ついたDNAの修復を担っている遺伝子です
ヒトのからだは紫外線や放射線、化学物質などDNAを傷つける要因にさらされています
そこで傷ついたDNAを修復する遺伝子が必要となります
それがBRCA遺伝子です
このBRCA遺伝子に異常があるとDNAの損傷が修復されにくくなります
日常で浴びている紫外線、放射線、化学物質は特殊な環境でない限り微量なので、すぐに「がんに」ということはないのですが、微細なDNAの傷が積み重なってくるとがんが発症してしまうのです
BRCAの遺伝子異常は遺伝性の乳がんと卵巣がんに関連していることがわかっています
BRCAの遺伝子変異は親から子へ遺伝します
遺伝する確率はおよそ50%で男性にも女性にも遺伝します
男性の場合には、BRCAが遺伝した男性の子に50%の確率で遺伝します
BRCA遺伝子のがん発症リスク
一般的に女性が生涯のうちに乳がんにかかる確率はおよそ9%程度と言われています
BRCAの遺伝子変異にはBRCA1とBRCA2があります
BRCA1の遺伝子変異がある人では乳がんの生涯発生リスクは40〜80%、BRCA2の遺伝子変異では20~85%と言われています
乳がんに関連していると言われる遺伝子はBRCAの他にも多数あるのですが
乳がんに関連している遺伝子変異のうちBRCA1とBRCA2が70%以上を占めます
このことからBRCA1もしくはBRCA2の遺伝子異常がわかれば、こまめな乳がん検診を行うことによって高い確率で乳がんを早期発見することができます
生まれつきBRCA遺伝子に変化がある方のがん発症リスク
横に動かせます⇒
がんの種類 | 遺伝子 変化なし | BRCA1 変化あり | BRCA2 変化あり |
---|---|---|---|
乳がん | 12% | 46~87% | 36~84% |
卵巣がん | 1~2% | 39~63% | 16.5~27% |
男性乳がん | 0.1% | 1~2% | 5~10% |
2回目の原発性乳がん | 2% (5年以内) | 21.1%(10年以内) 83%(70歳までに) | 10.8%(10年以内) 62%(70歳までに) |
前立腺がん | 6% (69歳まで) | 8.6% (65歳までに) | 15%(65歳までに) 20%(生涯) |
膵がん | 0.5% | 1~3% | 2~7% |
すでに乳がんがある人にBRCA遺伝子検査を行う意味
実はBRCA遺伝子検査はすでに乳がんに罹った人に保険適用されます
基本的に保険は病名がついている人にのみ適用されるのです
すでに乳がんがある人がこの検査をするメリット☆
まず乳房温存術で温存した乳房や手術していないもう片方の乳房に、再度乳がんが発生する可能性がどれくらいあるのかを調べることができます
BRCA1もしくはBRCA2の異常がわかれば、残った乳房を予防に切除することが保険で認められます
ただまだ異常のない乳房を切除するのは流石に躊躇する人がおおく、細やかな定期検診をおこなってがんの早期発見につなげるなどの活用をされることが多いです
手術前にこの検査を実施して、その結果で乳房を温存するか、全摘して再建術を受けるかを考えるということもできます
BRCA遺伝子変異は前述した通り50%の確率で子どもへ遺伝します
自分のBRCA遺伝子変異を調べることで、子どもの遺伝子変異の可能性についてもわかるのです
BRCA遺伝子変異の有無を調べることで乳がんの治療方針が変わる可能性があります
医師と相談のうえ、検査の必要性や有効性について理解して検査を検討しましょう
BRCA遺伝子検査はどの様に行う?
遺伝子を調べる検査を行う前には遺伝カウンセリングを行います
これは自分が将来、病気に罹りやすいということを知ったことで、悩んだり辛い思いをする可能性があることから行われています
BCRA遺伝子検査を行う前にも遺伝カウンセリングが行われます
ここでしっかりと話を聞いて結果を聞いた後の対応を考えることが重要です
検査は血液検体で行います
血液の中に存在する細胞の遺伝子の中のBRCA1、BRCA2遺伝子を確認します
結果はおよそ1ヶ月から1ヶ月半程度で通知されます
BCRA遺伝子検査の保険適用について
この条件に当てはまる方は保険適用で6万円程度で受けることができます
まだ乳がんになったことのない人は保険適用にはなりません
乳がんを発症していない人で保険適用にならないとしても、近親者に乳がんや卵巣がんが多い人は受ける価値が十分にある検査です
遺伝子異常と分子標的薬
薬物療法のひとつに、特定の遺伝子の異常を持つがんに対して、その遺伝子を標的にした分子標的薬という薬剤があります
がん細胞が持っている特定の分子(遺伝子やタンパク質)にだけ作用する薬のことです
通常の抗がん剤はがんの細胞も、そうでない細胞も分裂を抑えるため、副作用が強く出るのですが
分子標的薬はがん細胞だけを攻撃するため、副作用が少ないがん治療が可能になります
ハーセプチンやパージェタなどが分子標的薬です
BCRA遺伝子検査の体験談
私はBCRA遺伝子検査はしていないので、Twitterのフォロワーさんのツイートからご紹介します!
↓mitchさんが紹介している画像です↓
オンコタイプDXについて
乳がんの遺伝子検査には「ホルモン受容体陽性、HER2陰性、ステージIIIまで」の患者を対象としたオンコタイプDXという検査もあります
オンコタイプDXはアメリカの会社(ジェノミックヘルス社)が開発した検査で、再発にかかわる21種類の遺伝子の発現状況を解析し、10年以内に再発するかどうか、その確率を予測します。検査の結果は、再発スコアとして0~100の数値で点数化され、18未満は低リスク、18以上31未満は中間リスク、31以上は高リスクと分類されます。
再発スコアの結果から、高リスクの患者さんには、再発予防として抗がん薬治療を行い、低リスクの患者さんではホルモン療法薬のみ行う、といった治療方針の目安にすることができます。
出典:乳がんの遺伝子検査 – オンコタイプDX、マンマプリントの有効性と課題 – がんプラス (qlife.jp)
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まとめ
近親者に乳がんや卵巣がんが多い方は、この検査を活用して自分の体を守ることができます
心当たりのある方は医師に相談して検査を受けるべきか検討してみてください
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