ホルモン療法を1年半行いましたが、全く効果なく…
2018年7月、初診から5年後、主治医から手術を提案されました
告知時に手術はできないと言われたのに…
肝転移は撮像範囲上ほぼ消失
リンパ節、骨転移も縮小したままです
手術で根治を見込める可能性があります
手術しても意味がないと言われてたし、治らないとも言われてたのに…
根治って!!!
やりますとも!
やるでしょ、それは!
デメリットやリスクとか、ちゃんと聞いてよく考えなさい
最初に説明したとおり、写っていなくても転移が消失している可能性は低いです
なので、原発を取ってしまうと、新たな転移が出てくるまで治療の効果がわからなくなるというリスクがあります
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乳房切除術について
乳がんの手術には、がんのある乳房を全て切除する術式『乳房切除術』と乳房を温存する術式『乳房部分切除術』があります
乳房を全摘する必要がある場合
- 乳がんの大きさが3cmを超える
- 小さながんが乳房の広い範囲に散在している
がんが残らないように切除するので、全て取り切るために広い範囲を切る必要がある - 部分切除の術式を行った後に再発し、乳房切除術を追加する必要がある場合
- 遺伝性乳がんの疑いがある
しこりの大きさや位置、乳がんの広がりを総合的に考えて、乳房温存術を実施したあとに美容的に満足のいく仕上がりになるかどうかも術式選択の重要なポイントです
引きつれや変形がひどくなるようであれば全摘をして、その上で乳房再建を実施するという選択をすることもあります
乳房切除術のながれ
手術は全身麻酔で行われます
手術時間は手術の形式によっても異なりますが、だいたい2~3時間ほどで終了します
乳房切除術の流れを説明します
事前の画像検査(MRIや超音波検査)で乳がんの位置を確かめたり、リンパ節への転移の有無を確認します
絶飲食し、手術用の点滴をします
手術着に着替え、弾性ストッキングを着用します
手術室に移動し、全身麻酔を行います
乳房を皮膚割線(皮膚の張りの流れ)に沿って切開
皮膚やその下の脂肪組織は残して乳腺と乳輪、乳頭だけをくり抜いて切除します
乳頭を切除せず乳腺組織のみを切除する術式もあります
その場合、乳房の中にはティッシュエキスパンダー(組織拡張機)を入れているものの、見た目には普通の乳房と大きな違いはありません
乳頭も乳腺の先にある組織なので、乳頭にがんが及んでいないかどうかを慎重に確認する必要があります
その後、転移の可能性がある場合は、周囲のリンパ節を切除します
乳房の下に存在する筋肉である大胸筋の下にポケットを作ります
ここに生理食塩水(体液と同じ濃度に調整された食塩水)で満たされたバッグであるティッシュエキスパンダーを挿入
これにより乳房の膨らみを再現します
切除した部位からは血液や体液が出るので、それが胸の中にたまらないように管(ドレーン)をいれた状態にして縫合し完了です
ドレーンは術後数日で抜去します
乳房再建について
乳頭や乳輪は後に新たに作ることができ、見た目が大きく損なわれることはなくなってきています
後日ティッシュエキスパンダーを取り除き、そこに人工物であるインプラントをいれたり、自分のお腹や背中の脂肪を含む組織を入れることで乳房の再建が完了します
切除後そのまま再建をする一期再建を実施すれば麻酔から覚めた時には乳房が再建されているということになり、乳房がなくなるという体験をせずに手術を受けることもできます
乳房再建に注意が必要な場合
術後化学療法を行う場合
抗がん剤を使用していると副作用により感染症にかかりやすくなります
体の中に人工物を入れる処置は感染のリスクとなりますので、ティッシュエキスパンダーの挿入は化学療法が終わってから行う必要があります
※化学療法中でも行う病院もあります
化学療法の終了時期が定まっていない場合は再建はしません
放射線治療を行う必要があるとき
放射線治療を行うと、放射線があたる部分に皮膚炎が起こり、皮膚が硬く伸びにくくなるため再建が難しくなる場合もあります
※病院や医師によっては見解が異なるため、主治医と相談しましょう
乳房温存術(乳房部分切除術)のながれ
乳房温存術(乳房部分切除術)は、がんのある部分を切除する術式、いわゆる温存と言われるものです
乳房温存術の流れを説明します
事前の画像検査(MRIやエコー)で乳がんの大きさや位置、浸潤の有無を確認
絶飲食し、手術用の点滴をします
手術着に着替え、弾性ストッキングを着用します
手術室に移動し、全身麻酔を行います
温存術の中では切除する範囲が広い術式
乳がんは初めに発生したところから乳頭に向かって進展していくことが多いことが知られています
確実にがん細胞を切除しきるために、しこりだけでなくその周囲の正常な乳腺組織を切除します
乳頭を中心に扇型に切除するため、この名前がついています
しこりとその周りの正常乳腺を1~2cmの安全域をとって、がんの大きさに応じて部分的に切除する術式
最も切除範囲が少ない術式
こちらはほとんど安全域をとらず、しこりのみを取り除きます
切除する領域が非常に狭いため、がん細胞を取り切れていない可能性があるので、あまり積極的に用いられる方法ではありません
転移がある場合は、腋窩リンパ節(脇の下にあるリンパ節)を切除します
切除した部位からは血液や体液が出るので、それが胸の中にたまらないように管(ドレーン)をいれた状態にして縫合し完了です
ドレーンは術後数日で抜去します
全摘よりは切除範囲が少ないことから、回復が早いというメリットがあります
手術終了―離床までのながれ
帰室後は、状態が安定するまで血圧・体温・脈拍などを測ります
酸素・心電図をつけます
長期間寝たきりになっていると、筋力の低下や深部静脈血栓症※などのリスクあるので、術後早期にベッドから起きるようにする早期離床が一般的です
※深部静脈血栓症とは
静脈の血液が固まる疾患
固まった血液は肺などの血管を詰まらせる危険があります
いわゆるエコノミークラス症候群と呼ばれるものです
乳がんの入院―退院の流れ
乳がんの手術をする病院の違いや、手術を受ける患者さんの全身状態により日数が変わったりもしますが、一般的に乳がんの手術を受ける場合には手術の1~2日前に入院をします
手術に必要な画像検査などをしていなければ、入院してから実施することもあります
前日に手術の計画を確認します
入院期間は、だいたい乳房温存術の場合は3~7日程度、切除術の場合は7~10日程度になります
ドレーン(リンパ液や血液がたまらないよう入れる管)からの排液がおさまってから、退院となるのが一般的です
【体験談】右乳房切除術+腋窩リンパ節郭清
2018年8月12日から入院して、翌日の8月13日に手術をしました
2018.8.12~2013.08.22
主治医から手術の説明を受けたぐらいで、とくに何事もなく過ごしました
絶飲食の指示は、24時までは固形物が可、飲水は6時まで可でした
前日は夫に付き添ってもらいましたが、当日は付き添いは無しで手術に臨みました
事前に主治医に確認をとって付き添い無しの許可をもらっていたのですが
主治医は病室の細かいことは知らないらしく
今から手術室に移動というときになって
貴重品入れの鍵は、病院側が預かることはできないと言われました
通常は付き添いの家族に託すそうです
それならそうと事前に説明して欲しかった
かぁるさん、今から手術だというのに…落ちついて
怒って興奮している人間に
「落ちついて」は逆効果だと、常々思っております
カリカリしてたおかげか、不安や恐怖は吹っ飛んでいました
全身麻酔をするときに、看護師が私の腕をさすりながら「大丈夫ですよ~」と優しく声をかけてくれたのですが
「そういうのは要らん」と心のなかで思えるぐらいには落ちついていました(^^;
目が覚めた時には手術が終わっていて、部屋に移動してる最中でした
Twitter界隈でよく使われている表現「ワープ」
まさにそんな感じでした!
リンパ節転移の広がる順に合わせて、どの範囲まで郭清するかが定められています。
現在では合併症予防のため、郭清はレベルⅠ、Ⅱまでにとどめ、大きく腫れたリンパ節がある場合のみレベルⅢでの郭清を行うようになっています。
出典:腋窩リンパ節郭清|乳がんの手術療法|おしえて 乳がんのコト【中外製薬】 (oshiete-gan.jp)
【引用画像】
目覚めてから1時間ぐらいはうつらうつらとしていました
一番辛かったのはこの後の時間…
すぐに動いてはいけない、3時間は横になったままじっとしていてくださいと言われました
だんだんと意識がはっきりしてくるとまず喉が渇く
朝の6時から絶飲食しているのだから、お腹もすく
一番は体中のいろんな管が、ベットに縛り付けられてるように感じて苦しかった
ずっと時計を見つめて3時間経った21時に、1分1秒も我慢できずナースコール
ちょうど忙しい時間帯だったみたいで、15分ぐらい待たされました
看護師に「そんなに動けないことがしんどいかな」と小声で愚痴られながら
心電図モニターや酸素をはずしてもらい、バルン(尿道カテーテル)を抜去してもらえました
すぐに起き上がって、麦茶を爆飲み
食事はまずできないだろうから、翌日の朝食まで出ないと言われました
お腹すき過ぎて気分悪いよー
トイレなど歩くときはナースコールで呼ぶように言われたけれど、さっきの看護師は機嫌悪そうだったし呼びにくい
なので、勝手に1階のコンビニまで行って食料調達して食べていたら、見つかりました
こんなにすぐ歩く人も食べる人もはじめてだとあきれかえられました
動けなかった苦しい時間から解放されたのと、すべてが終わった安堵でぐっすりと眠れました
次の日から小指に軽度のしびれが出てきました
日に日にしびれの範囲が広がっていきました
毎日のリハビリで可動域は良好と言われていましたが、リハビリを始めて5日後からは可動域に制限がかかるようになりました
→現在では右上半身ー肺の下ぐらいまでと右腕の肘ぐらいまで、しびれが残っています
趣味の水泳も、まともに泳げるよう復活するまでに1か月以上かかりました
術後後遺症についてはこちら↓
排液の量が落ち着いてきた21日(術後8日目)にドレーンを抜去
主治医との面談で今後の治療方針の説明を受け、退院の許可が出ました
術後の組織所見
invasive ca,ER-,PgR-,HER2 3+ Ki-67 index>30%
※invasive caは非浸潤性乳管がん
告知時はScirrhous carcinoma(硬がん)悪性度が高いものだったので、治療の効果があったのでしょう
告知時の詳しい検査結果はこちら↓↓
かぁるののフォロワーさんが
手術のことを素敵なイラストでツイートされていたので、ご紹介します♪
フォロワーさんの体験談ツイートもご紹介しますね♪
私が入院中にあったら便利だと思ったアイテム♪
お風呂に入れないのって、地味にキツいから
対策用のアイテムは余裕があれば、ぜひ持っていくことをおすすめするよ
乳がんの手術を終えて…自分なりに思うこと
ホルモン療法が全く効果がなかったのも、やはり検査ミスではないの?
せめて手術前に化学療法をしていれば…
がんが一番小さくなっていたときに、ホルモン療法をする前に手術していれば…
たらればばかりを思って泣けました
せっかく手術したのに、エンドレスケモに変わりなし
根治を期待しての、手術の選択だったのに…
術後の入院期間が、乳がん闘病中では一番泣いたかもしれません
そして最大のデメリット
「治療効果がわからない」
新たな転移が発現してはじめて薬が効いてないのがわかるって、ハードモードでない?
このあとまた、カドサイラを再開→休薬→肺転移と続きますが…
現在は休薬中で無治療ですが、元気です♪
↓詳しくは↓
新しい治療を始めないかぎりは、かぁるの【体験談】としての闘病記事はここまでです
ここまで読んでくださって、感謝いたします
ありがとうございました!!
乳がんに関する記事はまだまだ更新しますので
『リラIFEー乳がんⅳ主婦の雑記帳』
末永くご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます
\ あわせてぜひ読んでほしい /