リンパ浮腫とは
乳がんの手術の副作用として「リンパ浮腫」があります
手術でリンパ節を切除したり、放射線治療でリンパ管が細くなったり、途切れたりすることでリンパの流れが悪くなり、リンパ液が皮下にたまる状態
リンパ管の流れが悪くなることで起きるむくみのことです
リンパの働き
リンパ液が流れる管「リンパ管」は全身にはりめぐらされていて、組織などで使われた不要な物質(たんぱく質や水分)を回収する働きをしています
リンパ管にはところどころに「リンパ節」があり、細菌などの不要な物質を血液循環に入れないようにしている関所のような働きをしています
毛細リンパ管同士の連絡が発達していない境界線(リンパ分水嶺)があります
このリンパ分水嶺(ぶんすいれい)を境にリンパ液は上下左右に分かれて、それぞれの領域のリンパ節に流入します
リンパ浮腫の原因と症状
乳がんの手術では乳房を切除するのに加えて周囲のリンパ節を切除することがあります(リンパ節郭清)
リンパ節を郭清(かくせい)すると切除した側の腕にリンパ液がたまり、違和感や力の入りにくさを感じることがあります
さらに進行すると腕が腫れ上がり、皮膚の障害を起こしたり感染症にかかりやすくなる場合があります
たとえリンパ節を切除しても、残された細いリンパ管がバイパスの役割を果たすのでリンパ液は流れます
リンパ浮腫を発症したら、できるだけ早期に治療をすることが大事です
症状
- 手が以前と比べて動かしにくい
- 腫れぼったい感じがする
- だるい感じがする
- 重い感じがする
- ピリピリ感
- 違和感を感じる
- 指で押すと跡が付く
- 硬くなり指で押しても凹まない
- リンパ浮腫による手足の太さの左右差が目立ってくる
- 手足の全体がむくむ
- 蜂窩織炎(ほうかしきえん)皮膚が赤く腫れて熱を持ったり、患部を押すと痛みを感じようになり、高熱が出ることもある
- 象皮病(ぞうひしょう)まるで象のような硬い皮膚に変形・変色して腫れあがる皮膚疾患
体験された患者さんから教えていただきました
右手の浮腫はパクリタキセルの副作用といわれました。 一年つづくひともいるそうで。
リンパ郭清による浮腫は上から下へ 薬剤浮腫は下から上へ(指先から) と違いがあるそうで
わたしは指先から手首までがてきめんなので薬剤のほうだろうと
Kチューブをすすめられ着用してみたら少し楽になってます。
薬剤浮腫とは薬の副作用によるむくみのことですね
抗がん剤や薬剤の副作用でも、浮腫になることがあるのですね
Twitterのフォロワーさんの体験談をご紹介します
リンパ浮腫を起こさないための対策
重症化すると治療に難渋することが多いので、症状を感じたらすぐに主治医に相談してください
対策
- 強く締め付けない
- 肥満に注意する
- できるだけ腕を酷使するような状況を避ける
- 重たいものは持たない
- 強い刺激を伴うマッサージなどを避ける
- 皮膚を清潔に保つ
- 刺激の強い石鹸やナイロンタオル、ブラシの使用は避ける
- 皮膚が乾燥しないよう保湿剤を使用する
- 日焼けに気を付ける
- 虫刺されに注意する
- カミソリの使用はできるだけ避ける
- 血圧測定
- 採血・点滴
- 加重を加える運動
術後後遺症とリハビリテーション
術後後遺症として、痛みや違和感、しびれといった症状、腕が上がりにくくなるなどの運動障害が出ることがあります
私は2018年8月に乳がんの手術で右腋窩リンパ節郭清をしました
2022年現在でもまだ術後後遺症に悩まされています
手術の詳しい内容はこちら↓
乳房切除後疼痛症候群
乳房切除後疼痛症候群は「PMPS(postmastectomy pain syndrome)」とも呼ばれています
乳がんの手術後に乳房・腋窩(わきの下)・上腕内側・傷痕の部位に痛みやしびれがおこり、熱を持ったり腫れたりすることがあります
術後10年経っても、約20%の人には症状が残るといわれています
乳房切除後疼痛症候群の原因や病態はまだ十分には理解されていません。一説には手術の時に肋間神経を傷つけているために痛みが生じる(神経障害性疼痛とよばれるものの一種)と考えられています。しかし、神経障害性疼痛の治療薬はそこまで効果を発揮しません。
出典:乳がんの手術後の痛み 乳房切除後疼痛症候群(PMPS) | 慢性痛治療の専門医による痛みと身体のQ&A (okuno-y-clinic.com)
もう一方では、手術した部位が熱を持ったり長く腫れたりすることがあることから、手術をきっかけに慢性的な炎症が起きており、痛みが続いているとも考えられています。
リハビリテーション
手術で腋窩リンパ節郭清をした場合はリンパ液の流れが悪くなり、リンパ浮腫を起こしやすくなります
その場合は手術の翌日からリハビリテーションを開始することが一般的です
私も手術の翌日からリハビリをしました
手術後~1週間程度の時期は、手のひらの開閉(指の曲げ伸ばし運動)や手首と肘を内側と外側に交互に回す、ボールを握る、ひじだけを曲げたり伸ばしたりするといった簡単な動作から始めます
手術から日が経つほど、腕の可動域に制限がかかり、退院する頃にはまっすぐに腕が伸ばせなくなっていました
主治医にリハビリテーションをしてもらえる他院への紹介状を頼みました
かぁるの病院では入院患者を対象とした急性期のリハビリテーションのみの対応のため、通院でのリハビリテーションは行ってないのです
日常生活に問題がないので、これ以上のリハビリテーションは必要ありません
腕が伸ばせないと洗濯物も干せないし、病院の駐車場の駐車券も車に乗ったままでは取れなかった
日常生活に支障があるから頼んでるのに…
乳房切除後疼痛症候群とリハビリについて…自分なりに思うこと
生検の結果や術後もエンドレスケモが継続になったことで、主治医に対して、かなり不信感がありましたが
リハビリの紹介を断られて、もう我慢ができなくなりました
もう転院してやる!!
かぁるの夫の仕事の都合で隣県に引っ越したので、この病院には約1時間半かけて通っていました
このあとすぐにまた入院をして、カドサイラを再開しました
そして、引っ越しを理由にして転院したのです
\かぁるの詳しい闘病記録はこちら/
\あわせてぜひ読んでほしい/
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